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「横雲」のやまとうた


by asitanokumo
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菖蒲

 水(み)隠れに生(お)ひて深きに流れける文目もわかず伸ぶる恋のね 横雲
   ・「流れ」と「泣かれ」、「文目」と「菖蒲」、「音」と「根」の掛詞。

 つれつれと遠つ国の人偲びつつおふるあやめのねをやなかるる 横雲

 枕にす憂き世におひしあやめ草玉の涙にねをおしむかな 横雲


源氏物語「蛍」にある五月五日・端午の節句の贈答歌。
・けふさへや引く人もなき水(み)隠れに生(お)ふるあやめのねのみ泣かれむ 兵部卿の宮
「今日までも引く人もない水の中に隠れて生えている菖蒲の根のように相手にされないわたしはただ声を上げて泣くだけなのでしょうか」。
・あらはれていとど浅くも見ゆるかな菖蒲もわかず泣かれける根の 玉鬘
「きれいに見せていただきましてますます浅く見えました、わけもなく泣かれるとおっしゃるあなたのお気持ちは」
by asitanokumo | 2011-05-04 14:50 | 季節の歌・五月