「横雲」のやまとうた


by asitanokumo

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風信子


 悲しみを超えて愛しむ人のいて香れる夜の花に託せり 横雲

ヒヤシンスは夜香蘭ともいいます。
3月29日は、風信子忌、立原道造の命日でした。
本郷弥生門の「立原道造記念館」は昨年秋に閉館となりましたが、記念館所収の資料は、信州上田の美術館・信濃デッサン館「無言館」に移され、こちらの公開は来年のこの時期か「五月のそよ風がゼリーになる」ころとのことです。
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by asitanokumo | 2011-03-31 12:51 | 季節の歌・三月

長閑なり


 長閑なる春の朝(あした)の風ほのか木ずゑを移るこゑに聞き入る 横雲

 目覚めしは鶯のこゑ正調の囀り高く枝を移ろふ 横雲

今朝の鶯は誠に模範的といえるような「ホーホケキョ」だった。

 長閑なる鶯の音に聞きそめて花にぞ春のさかりをばみる (洞院公賢・風雅集)
 長閑なる日影とゝもに軒近き木ずゑに移る鶯のこゑ (足利義教・新続古今集)
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by asitanokumo | 2011-03-30 22:46 | 季節の歌・三月

春の夢


佐保姫の移ろふ夢に誘はれて星満つ夜に花の香流る 横雲

ほんのりと色づく乳を撫で揉める歓びに濡る春の夢見し 横雲
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by asitanokumo | 2011-03-29 19:38 | 季節の歌・三月

花開く


 咲きそむる花をあだにといひなして風に散るてふ影を偲びつ

都心の染井吉野の開花は今日。平年並みで、去年に比べると6日遅いということです。
花を尋ねて近所の寺々を巡り、少しばかりお祈りもしたのでした。

 山桜われとやあだに咲そめし花の名立てに春風ぞ吹く (二条良実・続古今集)
 あだなりと花の名たてにいひなしてうつろふ人の心をそみる (京極為兼・新後撰集)
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by asitanokumo | 2011-03-28 15:43 | 季節の歌・三月

花衣


 木の下に袖触れ合ひし時偲ぶ花の衣の風に舞ひたり 横雲

そぞろ歩きには穏やかな日和。世の中のことをしばし忘れて花の中に佇みました。

 花の香に衣はふかくなりにけり木の下陰の風のまにまに (紀貫之[新古今])
 みな人は花の衣になりぬなりこけのたもとよかわきだにせよ (遍昭[新古今])
 ちりかゝるけしきは雪の心ちして花には袖のぬれぬなりけり (藤原永実[金葉集])
 袖触れし音は昔に隔てきて花にそうとき苔の衣手 (藤原兼行[風雅集])
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by asitanokumo | 2011-03-27 15:16 | 季節の歌・三月

春風


 花の春光のどかに咲き匂ふ解(ほつ)れ毛乱す風のいとはし 横雲

 解れ髪乱して春の風に散る夢をつづりて偲ぶ宵月 横雲


風が吹けば又風向きが気になるというなんとも憂鬱な事態です。
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by asitanokumo | 2011-03-26 13:27 | 季節の歌・三月

初音

 鶯の初音のさそふ花の下髪の乱れて落つる挿し櫛 

今朝、庭の豊後梅に鴬が来て啼いていました。たどたどしい幼い声でした。

 衣手にみだれておつる花の枝やさそはれきつる鶯のこゑ(藤原定家『拾遺愚草員外』)
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by asitanokumo | 2011-03-25 15:03 | 季節の歌・三月

佐保姫

 佐保姫の花色衣かけそへて咲きそふまゝに月に濡れけり 横雲

奈良の東に佐保山の神は春の女神とされ、春の神を佐保姫(さほひめ)と呼ぶようになりました。白く柔らかな春霞の衣をまとう若々しい女性がイメージされる春の季語です。
なお、佐保路とは、東大寺、転害門(てがいもん)から西の法華寺に至る大路をいいます。

 佐保姫の糸そめかくる青柳を吹きな乱りそ春の山風 (平兼盛・詞花和歌集)
(春の山風よ吹かないでくれ、佐保姫が染めて青柳にかけた糸が乱れてしまうから)

 佐保姫の解きし帯かも虹淡し 橋本榮治
 朝刈りの草芳(かぐは)しき佐保路かな 東妙子
 夕立来し佐保路に思ふ人ありて 町春草
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by asitanokumo | 2011-03-24 16:15 | 季節の歌・三月

春の雨 2


 暮れ行けば音も寂しき春の雨濡るるを厭ひひとり宿れる 横雲


 春雨のこさめさびしみ瓢(ひさご)さへふるに音せぬ夕ぐれの宿 大隈言道
(春雨のこまかな雨が音もなく降るのが寂しいので、瓢箪を振ってみるが、それさえ音を立てない夕暮の家よ。)
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by asitanokumo | 2011-03-23 20:58 | 季節の歌・三月

春の雨


 花水木花咲く並木春の雨地震(なゐ)に乱れて濡るるを恐る 横雲

雨にハナミズキが濡れていて、いつもは趣のある気持ち好い散歩道も、放射能汚染が報じられる雨ではなんとも憂鬱になります。
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by asitanokumo | 2011-03-22 20:20 | 季節の歌・三月