「横雲」のやまとうた


by asitanokumo
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カテゴリ:題詠2017( 1 )

001:入(やゑ)
温泉に一緒に入りぽかぽかの頬は春色心も溶ける
002:普(やゑ)
返還はいつになるのか春立ちて朱(あけ)に明けゆく普天間の空
003:共(やゑ)
老兵は消え去らずして励みつも共には行けぬ絶頂世界
004:のどか(やゑ)
夢一夜恋歌奏でふりたるに花にや重き春のどか雪
005:壊(やゑ)
壊れゆく君に魅入られ我が魂は消なば消ぬべく焦がれ果てたり
006:統(やゑ)
はちす葉の玉ゆり統ぶる風吹きてはかなむ夜に露ぞこぼるる
007:アウト(やゑ)
手を取れど黙しがちなる夜の街チェックアウトの後のけだるく
008:噂(やゑ)
恥ずかしい噂に惑う君の肩強く引き寄せ励ましていた
009:伊(やゑ)
あてもないやさぐれ男の伊達姿見せてやろうかあだの振舞い
010:三角(やゑ)
この夏の大三角を共に見る夢を抱いて今夜も一人
011:億(やゑ)
一億の民を裏切る夢の果て風に散るしかないと仇花
012:デマ(やゑ)
いつだってオンデマンドで応えますメールにキッスうそではないよ
013:創(やゑ)
一夜明け肩に残った咬創(かみきず)が別れが辛いと疼いています
014:膝(やゑ)
眠れない独りの夜は膝抱いてそっと名前を呟いている
015:挨拶(やゑ)
御挨拶しただけで去る観世音老いても悩み深かまるばかり
016:捨(やゑ)
この国に二人がいても捨てられて忘れられたらこの世は虚空
017:かつて(やゑ)
この夏も未練に沈むいつかつていう約束は破られたまま
018:苛(やゑ)
夢遥か苛立つ我を慰むる君の優しき手の温かく
019:駒(やゑ)
別れゆく駒の足掻(あがき)の早しとて虚しく手繰る思ひ出の道
020:潜(やゑ)
こっそりと気付かれぬよう潜り込み悪戯しているお布団の中
021:祭り(やゑ)
受話器から遠く漏れくる夏の夜のあなたの村のお祭り囃子
022:往(やゑ)
許されぬこととは言えど泣きながら右往左往に夜が更けていた
023:感(やゑ)
言葉などあてにはならず目隠しで感度良くして行く先不明
024:渦(やゑ)
陶酔の渦中にありて君の声上ずっていて理解不能に
025:いささか(やゑ)
いささかも嘘はないよという君の嘘が愛しいこの夕月夜
026:干(やゑ)
初詣干支占いで診る相性秘かに信じ指を絡める
027:椿(やゑ)
闇の中逢えない夜のせつなさに人恋椿ぽとりと落ちた
028:加(やゑ)
後ろから手加減なしでと求められ いいんだ君の背中好きだもん
029:股(やゑ)
股肉にかじりつく君いとおしく熱く美味しく焼き上げる鶏
030:茄子(やゑ)
御短珍我は惚け茄子土手南瓜どうせふられてなすすべもなし
031:知(やゑ)
知っているそっと背中の黒子追う君の指先その優しさを
032:遮(やゑ)
昼の陽を遮る窓のカーテンを閉めて無言の君と重なる
033:柱(やゑ)
ひと夏の二人の時間(とき)を刻んでた柱時計が今日も鳴ってる
034:姑(やゑ)
見え透いた姑息な嘘がいじらしい涙の陰に隠れる微笑
035:厚(やゑ)
こんにちはあっけらかんと濃厚なキスを求める君が眩しい
036:甲斐(やゑ)
思い出とまた逢える日を生き甲斐に私はけなげに過ごしています
037:難(やゑ)
帰り道別れ難くて想い込め絡めた指は解けないでいる
038:市(やゑ)
秋の夜を過ごしたホテルの朝市を手をとり歩く気怠いままに
039:ケチャップ(やゑ)
ああ今も「絶望してはいけない」と諭すよダンケチャップリンさん
040敬(やゑ)
いゃよって拗ねてみるのも御愛敬無理やり抱いて歓喜倍増
041:症(やゑ)
悶々と癒せぬ恋の症候群貴女の笑顔に焦らされている
042:うたかた(やゑ)
口遊む千年前の星のうたかたぐ月影夏の夜の夢
043:定(やゑ)
定め無い行く末想い待つ君にたぎる心を送り続ける
044:消しゴム(やゑ)
灯り消しゴムサックたぐる指先に初めての夜がほころんでゆく
045:蛸(やゑ)
君知るやおのが身を食う蛸のごと見果てぬ夢を追ひ慰むを
046:比(やゑ)
逢えばこそ愛の深きを比べあい言葉少なに睦み合う秋
047:覇(やゑ)
雄々しくも裸になりて起てる吾覇王のごとく君に向へり
048:透(やゑ)
色香濃き透ける肌(はだえ)を愛(いつく)しみ抱(いだ)くや花の露ぞ零れぬ
049:スマホ(やゑ)
笑み零しやさしく君の前に立つカリスマホストになったつもりで
050:革(やゑ)
革靴が二足揃って並んでるホテルの部屋の桃色吐息
051:曇(やゑ)
息ひそめ君の影追う硝子戸はいで湯に曇る初めての旅
052:路(やゑ)
手を取って二人で向かう行く末を選べないまま三叉路に立つ
053:隊(やゑ)
隊組んだ妖精たちに囲まれて抱きしめている堕落の天使
054:本音(やゑ)
お互いに本音を晒すその果ての極みの叫び意味をなさない
055:様(やゑ)
三角も五角もあって君と僕複雑怪奇の恋愛模様
056:釣(やゑ)
約束は釣瓶落としに暮れる秋二人手を取り闇に溶け込む
057:おかえり(やゑ)
待合せ今日は小田急ゆりがおかえりぬきの店予約済みです
058:核(やゑ)
桃割りて甘きをかじり核(さね)しゃぶるこの陶酔を君と共にす
059:埃(やゑ)
君もまた叩けば埃り出る身だと愛戯にまぎれ臀部なぶらる
060:レース(やゑ)
初めてのデートコースはひそやかなカップルおすすめプレースポット
061:虎(やゑ)
虎になる頃には君はもういないあの一杯が失敗だった
062:試合(やゑ)
辛うじて最後の追試合格の連絡受けて卒業式ナウ
063:両(やゑ)
占えば両思いとはあるものの両国橋は一人で渡る
064:漢(やゑ)
電話口誤解重ねて喧嘩して頓珍漢に話を終える
065:皺(やゑ)
よく見ればかすか目尻に笑い皺楽しく生きた証しとは言え
066:郷(やゑ)
ゆるゆると温泉郷を巡りゆく老後の夢を語り合うとき
067:きわめて(やゑ)
田原坂手繋ぎ歩むゆんでには笑顔ひときわめてに桜葉
068:索(やゑ)
今日もまた君に迷へる我が魂の捜索願書いては消して
069:倫(やゑ)
絶倫の精力求め八起きする姿を君は笑ってみてる
070:徹(やゑ)
極楽と夜を徹して睦み合い続きをねだる声はしわがれ
071:バッハ(やゑ)
恋求め尋ね歩けり古き町ゲーテ通ひしオッフェンバッハ
072:旬(やゑ)
歳重ね旬外れとはお互いに言いっこなしとにらめっこする
073:拗(やゑ)
湯上りに拗ねて甘えて膝枕乱れた裾に手が伸びていく
074:副(やゑ)
甘くとも恋のもたらす副作用嘘許さない苦さが沁みる
075:ひたむき(やゑ)
ひたむきに恋に生きたき時過ぎて今に残るは苦き思ひ出
076:殿(やゑ)
薄暗き湯殿にふたりほてりたる身を沈めつつ谷の音聴く
077:縛(やゑ)
惜しみつつ身を縛める紐解くや病みつきになるしたい放題
078:邪魔(やゑ)
夢やゆめ恋を邪魔するもろもろを解き放ちたる君うつくしき
079:冒(やゑ)
冒瀆を許さぬ愛のけがれなく君ひとすじと誓ひたる春
080:ラジオ(やゑ)
とりどりのグラジオラスに舞う蝶が選ばない花真っ赤に乱れ
081:徐(やゑ)
徐に探れる舌の感触を忘れはすまい逢ひし記念に
082:派(やゑ)
いじらしや恋を夢見る星菫派時に無頼となれる君なり
083:ゆらゆら(やゑ)
秋深みたまゆらゆらぐ我が想ひぬきとめがたき片糸の露
084:盟(やゑ)
盟神探湯(くかたち)に爛れし手なり誓てし命にかへて恋に生きめや
085:ボール(やゑ)
胸に挿すネイビーブルーのボールペン君の愛称刻まれていて
086:火(やゑ)
火の山の村には白き灰降ればひとしきり織る果てしなき夢
087:妄(やゑ) 
脱ぐ時と脱がす時とを妄想し二人で選ぶシュミーズドレス
088:聖(やゑ)
我はなほ聖人君子にあらざれば蠢愚蕩児の道に迷へる
089:切符(やゑ)
悔やんでももう戻れないこの手には二人で買った片道切符
090:踏(やゑ)
ながき夜の闇路に深く踏み入りて夢もうつつもわかぬなりけり
091:厄(やゑ)
囚はれし邪(よこしま)の恋厄除けのお札重ねてなほ払いえず
092:モデル(やゑ)
ダンディなシルバーモデルがかぶってる帽子がいいと鏡に映す
093:癖(やゑ)
気が付けばあなたの癖に染められて哀しい時に笑ってみせる
094:訳(やゑ)
密会を重ねるほどに言い訳が上手になって罪深き旅
095:養(やゑ)
散り急ぐ桜を浴びる花供養出逢うこの日を永遠にと願う
096:まこと(やゑ)
今更にまことしやかの言の葉とさまことなれる君が振る舞ひ
097:枠(やゑ)
いまさらの君との愛は別枠とご都合主義の言い訳を聞く
098:粒(やゑ)
小粒でも好きな味だと寄り添って胸に木の芽の香のキスをする
099:誉(やゑ)
誉められてその気になって愛の歌君に捧げて詠い続ける
100:尽(やゑ)
いつまでも可愛い君を愛したい老残の身に精尽きるとも

寄り道コース
101:轢(やゑ)
春の日は凌轢(りょうれき)された精神が萎えた体に沈んで澱む
102:鼎(やゑ)
次々と鼎は鳴りて日ノ本の沈みゆけるをいましむる夕
103:スパナ(やゑ)
七十路の春の休みの旅先はレミントンスパナルシスの花
104:欅(やゑ)
百千の欅(ケヤキ)に集う椋鳥の飛び立ち帰る夕焼けの空
105:饒(やゑ)
愛のみで救いうるのかいや増せる富饒の国の貧しき人を
106:鰆(やゑ)
甘露なる酒酌み交はし良き友とつまむは寒の鰆の刺身
107:蠱惑(やゑ)
恋の如溺れて堕ちる春の宵蠱惑的なる瞳に溶ける
108:嚢(やゑ)
春待つも鈴とはならぬ松陰囊(まつふぐり)ふわりと踏んで手に取る二人
109:而(やゑ)
若かりし而立不惑は昔なり知命天命過ぎて従心
110:戴(やゑ)
事はじめ戴きますとご挨拶したのになんと途中退場



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by asitanokumo | 2017-12-02 22:12 | 題詠2017