「横雲」のやまとうた


by asitanokumo
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「八慧(やゑ)」の名で詠んだ「題詠100★2016」

百首まとめました。
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001:地  共に行く道は何処まで老いてなお地獄極楽見るが人の世
002:欠  不真面目な欠伸(あくび)が今はふさわしい呪いの杜に神の不在を
003:超  惚け茄子と醜さ知らず限界を超えて傾く明日(あした)を足蹴(あしげ)
004:相当  被曝量致死相当の推定に命いとしと祈り続けて
005:移  春浅い窓に寄り添い移りゆく時を嘆いて「世はこともあり」
006:及  想像の及ばぬ果に来りしと七十年の終焉を見る
007:厳  厳冬を越えれば春が来るはずも凍ったままの予感に震える 
008:製  寄り添って二人座れば春の日にゆるゆる軋む木製の椅子 
009:たまたま 恋のうたまたまつく尾を泥中に曳いて吟じる亀の極楽
010:容  春容を慕いて啼くは容佳鳥(かおよどり)君の声こそ今はききたく
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011:平  恋いしくて彷徨い巡る平城山(ならやま)の悲しい歌を君に聞かせる
012:卑  漏れてくる声が卑猥な遅出しの老猫の恋歌垣の夢
013:伏  虹色の伏せ字を起こしそして春 伏目がちなるひといつくしむ
014:タワー 祝宴の夢にわれらは若くしてシャンパンタワー添いて見上げる
015:盲  有り難い盲亀浮木の出会いでも穴を求めて亀はかなしむ
016:察  水色の診察室のディスプレー水草分けて鱗がひかる
017:誤解  狂乱の時代の錯誤解きほぐす正気が戻る朝はもうない
018:荷  ほんのりと薄荷が香り若い日の口づけの味思い出す朝
019:幅  春うらら飛び越えられない川幅にふたり手を取り朝の陽浴びる
020:含  握る手にうふっと含み笑う声今キスしたいと誘う川端
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021:ハート 並んでるハートマークが嬉しくてふたりで越える百里の隔て
022:御  春が来て制御できない想い湧きスカートふわりひるがえす君
023:肘  語りたいことはあるのに見つめ合い片肘ついて煙草吸ってる
024:田舎  啜り合う田舎汁粉は身を焦がす花見の茶屋に夕焼けを呼ぶ
025:膨  老いる身も花咲く春の日の夢を膨らませつつ一日(ひとひ)千秋
026:向  小春日は二人並んで日向ぼこ絡ませた手に猫がじゃれつく
027:どうして 待っていて今夜のうちにどうしてもピンクのバラを届けたいから
028:脈  春の旅二人で眺める湖の悦びの跡光ってる水脈(みお)
029:公  テラスから眺める初夏の外苑の公孫樹並木に風が流れて
030:失恋  のめり込み茫然自失恋の闇迷宮の中道に外れて
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031:防  けだるきも夜の防ぎのガウン着てタバコ燻らす時の恍惚
032:村  茶の里の又一村に立ち寄って恋の味する抹茶を啜る
033:イスラム トップレス二人で泳ぐメキシコのイスラムヘーレス透明な海
034:召  制服にお召替えしたお姫様幼稚園には桜満開
035:貰  貰い泣きするひとがいてそのままに閉ざされていく桜咲く路
036:味噌  抜き差しの胡麻味噌ずいの指遊びお茶碗割れてトッピンシャン
037:飽  飽かなくに影は隠れて見えぬまま時移ろいてやがて花散る
038:宇  霧深き宇治の恋読む春の宵去りゆく影が朧ろにとける
039:迎  お迎えの来る日も近いと思うから笑顔ばかりが鮮やかな朝
040:咳  近づくも咳払いして知らん顔連れている人いったいだぁれ
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041:ものさし 笑絵は江戸の好きものさしおいてたかぶる猫の恋を見詰める
042:臨  臨津江飛びかう鳥を羨めり縺れる綾はいつの日ほぐる
043:麦  一粒の麦の実りを祈りつつ一人の子ども一本のペン
044:欺  欺きを許せるぬものと怒れども甘えた笑顔に月おぼろなり
045:フィギュア フィギュアの削る氷の輝きの音に合わせて靡くフレアー
046:才  春の日のショーウィンドーが映し出す才子佳人に見惚れ寄り添う
047:軍  手に持てる桜ひと枝花軍(はないくさ)灯しにあかき君のかんばせ
048:事情  だめ押しのつれない返事情けなく夜沈沈と涙にくれる
049:振  待ち疲れ振りさけ見ると咲き誇る花におぼろの月がでいいる
050:凸  解く髪と胸の凸起の透く影が夏の海辺の窓に揺らいだ
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051:旨  旨酒の魅惑に溺れ夜が明けてほてる肌(はだえ)に花影揺れる
052:せんべい いかんせんべい独楽弾く夏の日のもう戻れない苦い思いを
053:波  ひとり寝て乱れる胸が波の穂のしぶきに濡れた夏が悲しい
054:暴  猛り立つ暴れん坊を慰めて見つめる頬に涙ひとすじ
055:心臓  再会に動きはじめた心臓が止まったままの時を求める
056:蓄  記された含蓄多い歌読んで悶々春のひとひが過ぎる
057:狼  「もうやめる」不意の言葉に狼狽(うろた) える何をやめればいいのか我は
058:囚  つぶやいた君の言葉に囚われて進めないまま茫然自失
059:ケース ショーケース二人並んで眺めては迷い迷いの未来を探す
060:菊  枯菊を焚くとほのかな香が流れあなたのいない季節(とき)が過ぎさる
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061:版  回数も期間も越えて体験版使用不能に陥った恋
062:歴  過ぎた日の着信履歴見返して削除をいくつ繰り返す夏
063:律  君は病む我の心の調律師それでも治らぬ怪しい呂律
064:あんな 世の中に恋てふもののあんなるにあんなことして過ごす一日
065:均  均等に配分される愛なんて悲しいだけと独占の欲
066:瓦  巡りきた赤い煉瓦の水路閣手をとりくぐる幻月の宵
067:挫  折節の飾り気のないメール見て挫けた気持ち奮い立たせる
068:国歌  亡びたる国歌うたえと強いられてひたすら噤む唇痛い
     京の旅阿国歌舞伎の屏風絵を君を待ちつつ眺めゐたりき
069:枕  枕絵を見せて誘えば逃げもせず素知らぬ顔で握り返す手
070:凝  目を凝らし見つめる振りのあぶな絵にふたりの想い重なっていく
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071:尻  悲しくも尻切れ蜻蛉になるメール夜更けに一人つぶやいてみる
072:還  アラ還という人々が群れなして鞍馬天狗も尻込みをする
073:なるほど その仲が深くなるほど夕暮は逢瀬の影を優しくつつむ
074:弦  横たわるベットサイドに流れてる弦楽小夜曲甘く切ない
075:肝  老いた身も土用の昼の肝吸いにやがて哀しく気をみなぎらす
076:虜  魅せられて君の虜になった日が七月六日と言う人がいて
077:フリー フリーズの対処としては唇の長押しによる強制開始
078:旗  入日さす豊旗雲の緋の色に心もえよと染められている
079:釈  毎日が何にもなくて過ぎていく会釈こぼして逢うはいつの日
080:大根  土落とす二股大根色っぽくその身を我は密かに撫でる
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081:臍  願わくば臍の下には知恵ないと気まま勝手を笑って許せ
082:棺  片足を入れた棺桶抜け出して最後の恋は死に物狂い
083:笠  涙ふき合羽からげた三度笠見送る影に未練が残る
084:剃  剃り跡に滑らす指がしなやかでやがて開いて濡れる唇
085:つまり 君が住む郷の垣内(かきつ)は幸多く水清くして魚(いを)あつまりぬ 
086:坊  逞しい暴れん坊が大好きと甘えん坊がいやいやをする
087:監  臍下の監督責任問う人の拗ねてる声が胸に甘える
088:宿  宿帳に妻と記すを覗き見て君はすましてつんつん突く
089:潮  風孕み八重の潮路をゆくような夢を抱いて君に会いたい
090:マジック 密やかにマジックミラー越しに見る君の半裸はとても艶やか
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091:盤  手を取れば切羽詰った盤面を好転させる一手が見える
092:非  苦しくも君との恋は非公開秘かなゆえの堅い契約
093:拍  競詠の百首に込める恋心成就目指して拍車をかける
094:操  真直ぐの思いの丈を確かめて操つりつられの道を一筋
095:生涯  生涯の最後の恋と誓っても君の移り気やはり心配
096:樽  にっこりと小さな角樽ぶら下げて祝いの刻(とき)に君が現る
097:停  危ないと停(とど)める言葉振り切って踏み入る道に光あふれる
098:覆  目を覆い手の感触に委ねてる声が愛しい夜もあったね
099:品  大切な遺品にすると仕舞われて埃をかぶる老いらくの恋
100:扉  逢坂の関の扉(せきのと)越えむ狂い咲く妖しい色の歌を連ねて
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完走報告 ようやくに百首完走しましたと報告できる喜びのとき
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by asitanokumo | 2016-11-05 17:09 | 題詠2016