「横雲」のやまとうた


by asitanokumo
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海棠


 咲き初むは酔ひて睡れる花なれば春の宵にぞなれとねぶれる 横雲
 春の夜の夢に怨みの耐えがたく杯空し海棠の花 横雲
 

海棠は楊貴妃の酔って睡たげな姿に喩えられて「ねぶれる花」とも言う。

 海棠はまだ咲きそめの実のごとき小花ぞゆらぐかぜふきしかば 上田三四二


    好事近    李清照
吹いていた強い風が収まると 散り落ちた花びらはうず高く、
窓の外に赤い花びらを抱いて白い花びらが雪のように積もっています。
カイドウの花が咲いた後の情景をいつまでも忘れることなく覚えています、
あれはまさに 春の憂いの時期そのものでした。

お酒は終わりに近く やがて歌も止んで 美しい酒器も空になり、
ほの青い灯火が ひっそりと明滅するばかりです。
魂の見る夢には 心に秘めた怨みを忍びがたく、
その上更にホトトギスの一声が 悲しみを告げるのでした。
(「不如帰!」あああのときに戻れれば!)

    好事近    李清照
 風定落花深   簾外擁紅堆雪
 長記海棠開後  正是傷春時節 
 酒闌歌罷玉尊空 青缸暗明滅
 魂夢不堪幽怨  更一聲啼鴂 
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by asitanokumo | 2011-04-11 13:56 | 季節の歌・四月